書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

長所

 

紙とペンを用意して下さい。

紙ではなくタブレットでもスマートフォンでもいいのですが。

 

では、

「お子さんの長所」を書いて下さい。

 

いくつ書いてもいいです、

ひとつでも、ふたつでも、10コでも。

 

では、質問です。

 

そこに書かれていることを、

本人は自覚できているでしょうか。

 

「長所」として認識してもらっていることを

自分自身でわかっているでしょうか。

 

 

長所、良いところ、得意なこと、

本人がわかっているかどうか、自覚できているかどうかは大事です。

 

わからせてあげること、自覚させてあげることが、

大人の大事な役割だと思っています。

 

大人が長所に目を向けなくなってしまうと、

本人も自覚しようがありません。

 

大人が長所をわからなくなっていると、

本人もわかりようがありません。

 

 

長所、良いところ、得意なこと、

本人にわからせてあげて下さい。

 

正確には、

気がつかせてあげて下さい、

あるいは、

思い出させてあげて下さい。

 

 

いちど言ったくらいでは伝わらないでしょう。

ちょっと伝えたくらいでは自覚できないでしょう。

 

けど、

本人の長所、良いところ、得意なこと、を

わからせてあげるのは大人の役割です。

 

その労力は惜しまない方が良いと思っています。

 

楽には伝わらないでしょうし、楽には自覚できないでしょう。

決して、楽なことではありません。

 

けど、難しいことでもないはずです、事実を伝えるだけなのですから。

もともと本人が持っているものを気がつかせてあげるだけなのですから。

 

 

「長所を伸ばす」などと言いますが、

本人がわかってもいないことは、伸ばしようがありません。

 

伸ばすことを考えなくても、

気がつくことさえできれば十分です、あとは勝手に長所も成長していきますので。

 

 

「長所を発揮する機会がない」

「得意なことは、やめてしまった」という方もいるでしょう。

そう思ったら、よく探してあげて下さい、思い出してみて下さい。

 

紙へ何ひとつ書けなかった方も、

よく探して下さい、思い出してみて下さい。

 

 

長所に気がつかせてあげるのは、大人の役割だと思っています。

 

ここでいう大人とは、主に保護者です。

学校の先生でもカウンセラーでもなく、主に保護者です。

 

一緒にいる期間も時間も長い、保護者です。

 

一緒にいる時間が長い分、

長所を見かけている時間も長いはずですからね。

 

ないわけないのです、

見落としているだけ、忘れているだけ、でしょう。

 

どうしても「落としもの」が見つからない場合は、

本人と一緒に探してみても良いかもしれません。