いばしょ探し
保護者の方や子供たちへの言葉というよりも、
サポートする側の課題でもあるのですが。
どこか居場所を探そうとする、とします。
例えば、
学校へ行かなくなった子、行けなくなった子のために、
保護者の方がフリースクールとか学習塾とかを探す。
あるいは、
誰かに悩みをうちあけたくて、
相談にのってもらえそうな組織やカウンセラーを探す。
またあるいは、
将来のことを考えて、
不登校生でも受け入れ可能な学校を探す。
このブログを読まれている方は、
たいていインターネットで検索をしてみたりするのではないでしょうか。
でも、
なかなか見つけられない!
という方は少なくないのでは、と思います。
インターネットに頼らずに、
たとえば市区町村の機関に相談するという手段もあります。
ただ問題は、
市区町村によって、対応が大きく異なるという点です。
ある程度でも統一性があれば、
もしくは、せめて都道府県レベルでの情報共有でもあれば、
ボクも「市役所へ相談してみて下さい」とか自信をもって言えるのですが、
どこにお住まいかによって変わってきてしまう現状では、
なかなかそうも言えません。
それにまた、
何かを探す手段として有効な「口コミ」も、
こと不登校に関する相談については、なかなか得づらいもの。
ご近所の井戸端会議で話題にのぼることは少ないでしょうし、
そもそも、
あんまり周囲に話していない方も多いと思います。
勇気をだして話題にしても、
相手の方が不登校に関しての情報を持っていて、かつ話してくれるという可能性は
どうしても低くなります。
どっかの安いスーパーの情報を得ることよりも
何倍も何十倍も難しい。
とにかく、
本人の“いばしょ”をさがすことが、本当に難しい現状があります。
で、
ずいぶんと長い前置きをふまえて、
ここからが本題に近いのですが、
難しい、
なかなか見つからない、
どうしたらイイかわからない、
という状況で、
ポンと何かを見つけると、
ウワーっと飛びついてしまいたくなります。
ですが、
とたんに飛びつくのではなくて、
いったん落ち着いて、きちんと検討をしてみるようにして下さい、必ず。
「ウチの子を受け入れてくれるところ」を探していて、
なかなか見つからず、
どうしたらイイのだろう、と思い、
悩み、困っているところへ
「受け入れますよ」と言われてしまうと
わき目も振らずに
「お願いします!」って申し込んでしまいたくなるかもしれません。
1日でも早く、今すぐにでも、なんて言って
ついつい焦って決めてしまう心境も仕方がありません。
でも、
そもそもは
「受け入れてくれる場所」ではなく「合った場所」を見つけるために
色々と探し始めたはず。
学校が合わないのなら、別の居場所を探そう、という気持ちだったはずです。
だけど、
なかなか見つからなくて、
情報も入らなくて、
それでも子供がウチでゴロゴロしていて、
こんなんじゃダメだ、早く決めなきゃ、どうしようどうしよう
で、
見つけたものに、飛びつきたくなってしまうわけです。
その選択が本人に合っているのかどうか、
ちょっといったん落ち着いて考えてみてから、
前へ進むようにして下さい。
お子さんがオナカをすかせているので食べ物を探す。
探しても探しても見つからなくて、
どうしようどうしようと焦ってきて、
そんなときに1本のニンジンを見つけると
バッと飛びついて、
さぁ、とニンジンをお子さんにあげる。
だけど、よく考えてみたら、
そうだ、ウチの子はニンジンが大嫌いだったんだ、なんてことになりかねません。
オナカをすかせた子供のために動いていたのに、
うまくいかなくて焦ってしまい、
いつしか、
自分がオナカをすかせてしまって、
ついつい
子供のために動いていたのに
自分のためになってしまったりします。
お子さんの食べたいものと
ご自分の食べたいものは違いますからね、気をつけないと。
見つからない、見つからない、となっても
とにかく焦って決めてしまわずに、
どこか見つけたら、
まずは
担当者と話をしてみたり、現地へ行ったり、資料を取り寄せたり、ホームページをすみずみまで見たり、
そんなワンクッションは必ずおいてから、
決めてあげるようにして下さい。
必ず、です。
冷静になるためのワンクッションは大切です。
まぁ、
それだけ何かを探しづらい現状に問題があるんですけどね。