書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

謝りかた

大人が子どもに謝るというのは大切なことだと思います。

抵抗のある方もいらっしゃるかもしれません、
照れくさかったり、慣れていなかったり。
でも、わるいと思ったときには、やはり、きちんと謝りたいものです。

以前に記事に書いた気がしますが、
親子の間で「ありがとう」「ごめんなさい」を口にすることは、
とても大切だと思っています。
なぜかということを書くと話がそれてしまいますので、やめておきますが。

で、「謝りかた」について。

お子さんに謝るときには、
「謝って」下さい。

謝ったあとで、
色々と言わないで下さい、ということです。

「さっきは、ごめんね」

以上です、そこで終わって下さい。

「さっきは、ごめんね、でもね~」

と、その「でもね~」という続きを、
グッと飲み込んで、おさえて、言わないでいた方がイイです。

「でもね~」と、
謝ったあとで、すぐにコチラの言いたいことを続けてしまうと、
結局、本人にとっては、謝られた気がしません。
それでは、
せっかく照れながら、慣れないながらも謝っているのに、その気持ちが伝わらず残念です。

「でもね~」を、
言ってしまうか、言わずに終わるかで、
結果が180度くらい違ってしまいかねません。


本当に伝えたいことが、
「でもね~」の後に続くのであれば、構いません。

でも、「謝る」のですから、
ここは結果が180度も変わっては困ります、「謝って」そこで終わりにして下さい。


「でもね~」の後に、
明らかに本人にとってプラスの言葉が続くのならば大丈夫でしょう、

「ごめんね、でもね、困ったことがあったら何でも言ってね」とか、
「ごめんね、でもね、絶対にあなたの味方だからね」など、

こういう言葉であれば問題ないとは思います。
しかし、

「ごめんね、でもね、これは、あなたのためなのよ」
などは、
場合によっては「言い訳」だったり「押しつけ」にも聞こえたりします。

線引きが難しいですよね、
だったら、何も言わない方がイイです。

「ごめんね」

以上、終わり、です。


「ごめんね、でもね、あなたにだって責任はあるのよ」

などと言ってしまうと、
もうこれは「謝っている」のではなく「お説教」です。
全く、謝られている気などしません。


「ごめんね」と言っても、
背中を向けてゲームをしていたり、目も合わさずにケータイをいじっていたり、
そんな態度のことがあるかもしれません。

しかし、断言しますが、
ちゃんと彼らは聞いています。
背中で聞いているのです、目も合わさずに聞いているのです。

だから、
謝るのであれば、謝って下さい。ちゃんと聞いています。
語弊はありますが、そんなときこそ、大人を見ています。

「謝ってくれた」なのか、
「謝る気ないのか」「結局はお説教か」なのかは、
「ごめんね」の後を飲み込むか飲み込まないか、だけの差だったりします。


「ごめんね、ちょっと、聞いてるの、こっちが謝ってんだから、ちゃんと聞きなさいよ」

などとなっては、
最終的に、どちらが謝る立場なのか、わけがわからなくなりますよね。


なんでもかんでもペコペコ謝って、子どもを立てましょう、という話ではないです。
わるいことをしていなければ、別に謝る必要もないですし。

謝るときは、謝りましょう、というだけのことです。

謝るときは、謝る以外の言葉をグッと飲み込みましょう、ということです。


どうしても飲み込めない、
どうしても「でもね~」の後に言いたいことがある、
ということであれば、
できれば、翌日に回して下さい。

ちゃんと謝って、それを受け入れてもらってからの方が、
こちらの言いたいことも、伝わりやすくなりますよ。