書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

素直

お子さんをお預かりする場合、
初対面にもかかわらず、
ニコニコと、
礼儀正しく挨拶をして、
きちんと受け答えもして、
こちらの言うこともちゃんときいてくれる生徒だったりすると、
一見、 とても素直でいい子だ、なんて感じるところなのですが、
実はそこまで「素直でいい子だ」という印象を得ることは極めて少ないです。

いい子なのは間違いないのですが、
もしかしたら無理をしているのではないかと心配になることの方が多いです。

ある面では、
いつもニコニコしているその生徒が
ふてくされたり、涙を流したりしてくれたときに、
初めて少しホッとするものです。

やっと感情を出せたね、
やっと嫌だと言ったね、
やっと我慢せずに泣いてくれたね、と。

泣ける相手だから泣く、ということはあります。
泣いてもいいんだと感じて安心して泣ける、ということもあります。

「素直な子」って、どんな子なのでしょう。

素直に笑うことも大切ですが、
素直に怒ったり、素直に泣いたりすることも必要です。

心の中とは裏腹で笑うことなど疲れます。
そうした笑顔は、出せば出すほどストレスになります。

大人に対して素直、ではなく
自分に対して素直、に過ごさせてあげましょう。

「ワガママ」ではなく「素直」ととらえてあげて下さい。

素のままで、
そして真っ直ぐに感情を出させてあげたいものです。
本当に素直で素敵な笑顔のために。