書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

 

 

「ゲームばかりして、ますます学校へ行けなくなっている」  
と、よく聞きますが、  
「学校へ行けないので、ヒマで仕方がないから、ゲームをしている」という子は少なくありません。  

学校へ行けるのならばゲームをしなくても時間が過ぎるのに、
どうしても学校へ行くのが難しくて、自宅で時間を過ごすためにはゲームくらいしかやることがないのです。
心からゲームを夢中で楽しんでいるわけではないかもしれないと、思ってあげて下さい。

「朝早く起きる練習をしたのに、学校へ行けなかった」 
と、よく聞きますが、
「早起きの練習をしたから、学校へ行けなかった」というケースはあります。

早起きの練習をすることで、本当はもっとリラックスしていられる時間でさえ学校へ通うことを意識することになり
それがプレッシャーやストレスになっていることはあります。
ちゃんと睡眠をとって、気持ちが回復すれば動き出せるのに、わざわざ練習でリラックスタイムを奪わないであげて下さい。

「このまま学校へ行けないと、将来が心配で仕方がない」
と、よく聞きますが、
「将来のことを心配しすぎて、ますます動けなくなっている」ということは多いです。

将来のこと、というよりも進学や就職のことばかりが頭の中を占めてしまい、
それをなんとかしようと思う気持ちが焦りとなり、プレッシャーとなり、よくない循環になってしまうわけです。
将来のことよりも、今のこと、今の様子を大事に見守ってあげて下さい。

「なんとか学校へ行かせて、自信をつけさせたい」
と、よく聞きますが、
「自信がつけば、学校へ行ける」ものです、少なくとも動き出すことはできます。

保護者のみなさんが一生懸命に考えていることは、
意外と「逆」だったりします。

これまでと逆の発想をすることは簡単ではありません。

しかし、
「逆かもしれない」と思ってあげるだけで
本人を見る目が大きく変わることもあります。

見る目が変わることで、態度や発言やたたずまいも変わり、
そうした保護者のちょっとした変化によって、
本人が動き出すことも多いです。

「ウチの子が態度を変えてくれれば、私だって〜」と思っていたとしたら、
それもやはり、逆ですね。