書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

時間差

お子さんに対して一生懸命に取り組んでも

なかなか様子が変わらないと

落ち込むことがあるかもしれません。

 

せっかく色々と頑張っているのに

あまりにも無反応だと、むなしくなってきたり。

 

 

けど、

こちらの取り組みに対して、お子さんが反応するまでに

時間がかかることは多いです。

 

例えば、

「子どもの話を聞こう」「話しやすい環境を作ろう」と決めて、

「なんでも話していいからね」と声かけをするとします。

 

「なんでも話していいからね」と声をかけても無反応。

気を取り直して別の日に

「なんでも話していいからね」と声をかけても無反応。

また気を取り直して

「なんでも話していいからね」と声をかけたら、あっちへ行ってしまったり。

 

もう気持ちがなえてしまい、

声をかけることもなくなり、話を聞くことをあきらめそうになった頃に

 

お子さんから「ちょっと話が」と言ってきた。

 

 

これは、

「声をかけなくなったから、本人から話しかけてきた」という見方もできますが、

 

その見方よりも

「なんでも話して」と声をかけたことの効果が

しばらく経ってから現れたと思っていいでしょう。

 

 

時間差があるのです。

 

時間差のあることは多いです。

 

 

しばらく前に取り組んでいたことが、

しばらく経ってから効果を表すことは多いです。

 

 

かけた声が、本人の心へ届くまでに時間が必要だったり

届いた声を、信用するまでに時間が必要だったり

信用して行動へ移すために、不安や緊張を取り除く時間が必要だったり

 

とにかく時間が必要なことはあるわけです。

 

だから時間差が生じるのです。

 

 

「急に動き出した」

「前触れもなく行動し始めた」

というケースは、あらゆる場面で起こります。

 

それは何も「急に」何かが起こったというよりも、

それまでの取り組みの積み重ねが、

一定の時間を経て、本人に力を与えたということが多いと感じています。

 

だからこそ

反応しなくても、変わらなくても、

地道に焦らず取り組むことが大切です。

 

反応も、変化も、

時間差で現れたりしますので。

 

 

よくボクは子どもたちを

「小さな芽」に例えます。

 

水をやり、光をあてても、

すぐに反応して、みるみるうちに芽が大きくなるなんてことはありません。

 

水をあげても反応しない、光を与えても変わらない、

しかし時間が経ってみると、ずいぶんと成長していたり。

 

子どもたちの心の中も、

みなさんの取り組みによって、ほんの少しずつ反応も変化も生じているのです。

ほんの少しだから見えないだけで、

それは時間差によって、目に見えるように現れるものです。

 

 

今の世の中はスピード感があります。

わからないことはスマホで数秒あれば答えを得られる社会です。

 

反応が早いのです。

 

だからこそ、

どうしてもボクらは、何に対しても早い反応や変化を求めがちになります。

 

 

一生懸命やっているのに、と感じたら

いまいちど、小さな芽を育てるイメージを持ってみましょう。

 

いきなり芽が伸びて、さっさと花が咲いて実がなっては、

かえって心配になりますね。

 

 

時間差。

 

それがある前提で、

水をやり、光を与えることを続けていきましょう。

 

 

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