書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

“学校へ行くようになる”セリフ

お子さんに、
どういうセリフを言ってあげれば、
学校へ行くようになるのでしょうか。

以前にも同じことを書いたような気がしますし、
過去記事内では同様のことをチョコチョコとお伝えしているのですが、
あらためて。

また、ボクが直接お話をさせて頂いたことがある方などへは、
よくお伝えしていることかもしれないのですが、
あらためて。

なんと言ってあげれば、
学校へ行くようになるのか、行けるようになるのか。
ボクの考えとして、
こう言ってあげれば、
学校へ行けるようになる可能性が高くなる、というセリフは
「無理して行かなくてもいいよ」
です。

どうしてそうなのか、は、
書かないでおきましょうか、じっくりと考えてみて頂いた方が、
納得しやすいかと思います。

ベテランの保護者、という言い方は変ですが、
ボクのブログを何度も読まれている方や、
あとは例えば、「いばしょクラブ」のスタッフをしているくらいの方ですと、
「行かなくてもいいよ」と言ってあげると「行けるようになる」
というメカニズムはイメージできるのではないでしょうか。

「行かなくてもいい」なんて言ったら、本当に行かなくなるじゃないか、
と疑問に思ったり、ちょっとイラっとしてしまう保護者の方もいると思いますが、
「行け」「行きなさい」と言ったって、行けないんですから、
そこは気にすることありません。

「行かないとダメだ、義務教育なんだから」ということを説明されなくても、
小学生の高学年以上の子は、そんなことわかってます、だいたい。

ちょっと厳しいことを言いますと、
「行かないと就職できないぞ」とか、
「行かないと友達もできないぞ」などと、言い続けてしまうのは、
お説教ではなく「おどし」に近いです。

そういうセリフを言い過ぎてしまうから、
あまり気にしなくてもいいことまで、本人たちが気にしてしまうのです。

本人たちの気にする度合いが大きくなっていると、
一度や二度「無理して行かなくてもいいよ」と言ってあげたくらいでは、
聞く耳を持てなくなります。

過去に言い過ぎてしまったな、と思われる方は、
これから先、言い過ぎるくらいに「無理して行かなくてもいいよ」と言ってあげて下さい。

とにかく、行かせたい気持ちはやまやまだと思うのですが、
そうなって欲しいのであれば、なおさら
「無理して行かなくてもいいよ」と言ってあげて下さい。

ウソでも良いから、とは言いません、
できれば心から言ってあげて欲しいです。

難しければ、
「無理して行かなくてもいいよ、少しの間は」とか、
「無理して行かなくてもいいよ、体調がよくないときは」とか、
少し添えてみる感じでもいいです、
それくらいなら、就職にも友達づくりにも困らないですよね。

繰り返しですが、
どうしてそういうセリフによって、行ける可能性が高くなるのかという
その説明は書かないでおきますね。

ただ、ひとつだけ言えるのは、
「行きなさい、行きなさい、どうして行かないの」と言い続けていたのを、
「無理して行かなくてもいいよ」と言ってあげたとき、
お子さんの中でガチガチになっていた大きな緊張の固まりのようなものが、
フッと柔らかくなって溶けていったりします。

「背中を押してあげた方がいいんじゃないのか」
と言われるかもしれませんが、
背中を押すのと、おどすのとは違いますし、
「無理して行かなくてもいいよ」と言ってあげてからでも、背中は押せますし、
「無理して行かなくてもいいよ」こそ、
実は背中を押すときに大事なセリフだったり、
そのセリフ自体が背中を押してくれたりするものです。

「行く」ためのセリフが「行かなくてもいいよ」となることが、
どうしてもよくわからなければ、
もう、だまされたと思って、言ってあげてみて下さい。

そのセリフだけでも、
それが“薬”になったり“光”になったり“オアシス”になったり、
気持ちを楽にしたりするものです。

つらいときに、
身近な人から、心からのそのセリフを聞けるならば、本人は幸せです。