書籍「不登校そうだんしつ」出版

お知らせ

'15/07/26 不登校生向け 高校進路相談会

2015.07.26

先日に開催しました「不登校生向け 高校進路相談会」。
大変暑い中でしたが、多くの方にご来場を頂きました。
参加されたみなさま、お疲れさまでした。

進路相談会3

これまでの開催と比べると、
「ご夫婦」「親子」「ご家族」と
複数でご来場される割合が非常に多かったことが印象的でした。

今回がたまたまなのか、
それとも今後に続く傾向なのか、
そのあたりは、また様子をみていきたいと思います。

来場された方、
また今後こうした機会の利用を検討されている方など、
高校進学を検討されている方々へ、ひとこと。

これはもう、毎年、しょっちゅうお伝えしているのですが、
「焦って決めない」で下さいね。

進路相談会


高校進学に関して今の時期は「情報収集」や「選ぶ」ことは行っていても、
「決める」までする必要は特にありません。

「せっかく高校へ行く気になった」ということで、
これまでの学力や経験を取り戻そうと、どうしても焦ってしまう。
また、これまでの状況から選択肢が狭まるであろうと、どうしても焦ってしまう。

そのお気持ちは当然のことなのですが、
焦ったところで、状況が急速に進展するわけではありません。
急に学力が伸びるわけでもないですし、
どんなに急いでも願書を出す時期すらまだ先です。

あまりにも焦ってしまったがゆえ、
いざ本当に「決める」時期が来たときに、
息切れをしてしまったり、ヤル気が失せてしまったり、あるいは余計な不安が大きくなるようなことは避けてあげたいですね。


また、
「せっかく高校へ行く気になった」ということで、
「だったらウチの子はこういうタイプだから、
 こういうシステムの学校じゃなきゃダメで、
 こういう先生がいるところにした方がよくて」
などと、
想像することも焦らないで下さい。

仮に、
レールを敷かれることで苦しくなった子に対して、
ちょっとヤル気を出したとたんに
またレールを敷いてしまうことのないように気をつけてあげたいですね。


「せっかく高校へ行く気になった」のですから、
まずはその気持ちをじっくりと尊重してあげましょう。

「じっくりと」です。

「じゃあどんな高校がいいの?」
「普通科がいいの?通信がいいの?」
「今のままで行けると思ってるの?だったらもっと勉強しないとね」
などと矢継ぎ早に問いかけてしまい、
せっかくの気持ちにフタをさせてしまわないようにしたいですので、

イメージとしては
本人の気持ちを「じっくりと」受け止めてあげて下さい。

そして、
今すぐに何かを「決める」のではなく、
いざ「決める」ときのために、力を蓄えさせてあげるつもりで接してあげましょう。

そもそも、
最も焦っているのは本人です。

「ウチの子はノンキだから」とか、そういうことではありません。
焦っているからこそ、
周りの子に追いつきたい、世間一般の仕組みに乗っかりたい、と焦っているからこそ
高校へ行きたいと意思表示をしてくれているケースはあります。

また、
やりたいことが見つかった、興味が湧いてきた、という気持ちが芽生えるにつれて、
それを早くやりたい、早くその環境を味わいたい、と
やはり焦ってしまう子は少なくありません。

最も焦っているのは本人です。
そう見えるとか見えないとかではなく、焦ってしまうことが自然なのです。

だからこそ、
まずは保護者の方々が焦らないことを心がけてみて下さい。

「私、今からでも高校へ行けるかな、間に合うかな」と焦っている本人に対して、
「大丈夫、じっくりじっくりと考えよう」と声をかけてあげられるといいなと思います。

ご自分に言い聞かせるように。