ほめる準備
この記事を読まれている方は、
「ほめることが大切」ということは、理解されているのだろうなと思います。
また、「ほめ方」「ほめるタイミング」なども、
関心を持って学ばれているかもしれません。
なので、あえてそこには触れずに、
「ほめる準備」についてです。
ほめる準備をして下さいね。
といっても、
ほめるタイミングを見計らって、
「さぁ、ほめよう」と意識して行動がぎこちなくなったり、
「いつほめようか、いつほめようか」と神経を研ぎすましたり、
「ほめることをしなさい、早く、いますぐ、ほめたいんだから」と念じてみたり、
そういう「準備」ではありません。
「ほめる準備」とは単純に、
「ほめる」ところを、知っておいて頂きたい、ということです。
言い換えれば、長所ですよね、
それを、把握してあげておいて下さい。
どうしても、
学校へ行っていない姿や態度を見ると、わるいところに目が行きます、
それは仕方がありません。
しかし、その状態で、
「ほめよう」というのは、かなり無理のあること。
なので、
わるいところ、と同じくらいに、イイところを、
あらためて把握しておいて下さい、もしくは見つけてあげて下さい。
「イイ」と思ってもいないのに、
「ほめなきゃ」という意識だけで口にしても、
年頃の子は、その違和感に戸惑ってしまいます。
もちろん、口にする、言葉にして投げかけることは大切です。
特に小学生くらいまでの子や、
様々な形で「甘え」の見えるタイプの子であれば、
ハッキリと言葉にしてあげることが、イイ影響を及ぼします。
ただ、
「ほめなきゃ」という思いのあまり、言葉が無理のあるものになるよりも、
まずは、「ほめるところ」をあらためて知っておいてあげて下さい。
ボクは保護者の方のご相談を受ける際に、
「イイところを書き出して下さい」と言うことがあります、
たしかブログでも記事にした気がします。
これは、言うなれば「ほめる準備」です。
知っておく、というか、再確認、再認識をして頂くだけで、
そういう目で本人と接することができたりするため、
ほめることも自然に行える可能性が高まります。
極端な言い方をすれば、
「ほめるところ」をしっかり知っていさえすれば、
あえて、ほめなくても構わないと思っています。
お子さんのイイところを認識しないまま、
ほめ言葉を口にしても、
どうしても、違う態度、違う視線になってしまうでしょう。
それは間違いなく本人に伝わります。
そうなると、保護者の方としては、
「ほめてもうまくいかない」と、つらくなったりしかねません。
逆に、
イイところを認めてあげられていれば、
あえて何も口にすることはなくても、
それこそ、態度や、なにげない仕草などで本人にそれが伝わる気がします。
もちろん、
「ほめなくて構わない」は言い過ぎですけどね、
でも、まずは「ほめるところ」を再認識して頂きたいな、と。
そして、これから先も、見つけて頂きたいな、と。
ご両親そろってご相談を受ける際には、
ほぼ確実と言っていいほど、ボクは「お子さんの長所」を伺います。
そのとき、
たいていは、「お父さま」へボクは目を向けます、
先に答えて欲しいからです。
ボクの目をしっかりと見返して、
思い出すように、いくつも挙げて下さる方もいらっしゃいますが、
経験上、
よく把握されているのは、「お母さま」だったりします。
「昔はこうだった~」という感じで挙げて下さるのは、
「お父さま」の方が多いですが、
逆に、
「その辺は、妻のほうが~」と言われる方や、
また、
ご両親で顔を見合わせて、そのまま苦笑いで終わってしまうことも。
相談の場で急に質問をしているわけですので、
お答えに困るのは当然かと思います、
見ようによっては、いじわるな質問の仕方ですし。
ただ、お家に帰られてからは、
あらためて、ゆっくりと考えて頂きたいな、と思うのです。
できれば、ご夫婦で再認識、あるいは再発見などもしてみて頂きたいな、と。
特に、お父さまが再認識をして頂けると、
それだけで本人の負担が軽くなったりします。これはケースバイケースですが。
シングルマザー、シングルファーザーの方は、
ご自分で考えてみるとか、紙に書いてみるとか、
あるいは、本人のごきょうだいと話してみるのもイイかもしれません。
「ほめ方」「ほめるタイミング」を実践するためにも、
まず「ほめる準備」をしてみましょう。
もしかしたら、
きちんと準備さえすれば、
なにも難しいことを考えずとも、勝手に「正しいほめ方」になるような気もします。