書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

選択

なかなか学校へ行けない理由を言わない。

「嫌なことがあるなら言いなさい」と伝えても
「大丈夫」と答える。

大丈夫と言うのに、やっぱり行けない、行かない。

そのたびに「理由は」と聞くけれども、
なかなか言わない。
ハッキリと言ってくれれば対処できるのに、
言わないのでは、なにもしてあげられない。

何日もそんなことを繰り返したある日、
やっと本人が開く、

「行こうとすると、お腹が痛くなってしんどい」と。


さて、ここで保護者の方は
どんなセリフをお子さんにかけるのでしょう。
ぜんぜん言ってくれなかった本当のことを、やっと打ち明けた。

そこで、なんと声をかけるのか。


こうやって文章にすると冷静に考えられそうですね。


「もっと早く言いなさいよ」
「どうして今まで言わなかったの」

は、ちょっとかわいそうですね。
感情的にそう言いたくなる気持ちは仕方ないですが、
それができれば、とうの昔に打ち明けているはず。

「そうやってハッキリ言わないでいると将来やっていけないわよ」

本題から外れすぎ、これは避けたいですね。


「今まで言えないでいたんだね、ごめんね」

このように言ってあげたいところです。

「ちゃんと話してくれて、ありがとうね」

ここまで言ってあげられればな、と思います。


つい責めてしまうか、
逆に、
謝ったり、お礼を言うか、

こういうときは、頭の中でセリフの選択を誤らないようにしましょう。

ちょっとだけ頑張って冷静になれば、スッと出てくるはずです。


わるいことをしたわけでもないのに謝るのか、
その程度のことでお礼を言うのか、
そう感じてしまう方もいるかもしれませんが、

これは、
甘やかしでも、へりくだっているわけでもありません。

「気持ちに寄り添う」とは、こういうことです。


こういうときの選択は、その後の展開を大きく左右しますので、
意識しておいて下さいね。