書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

浴びる言葉

普段から、
もしくは幼少期などから、
どんな言葉を“浴びている”のか、は
本人の考え方や行動に大きな影響を与えます。

あまりセリフにこだわりすぎるのもよくないのですが、
単純に、
「マイナスの言葉」か「プラスの言葉」か、
どちらを“浴びている”のかという影響は大きいです。

「ダメ」「無理」「どうしてできないの」、
「そうそう」「やってごらん」「大丈夫」。
どちらが「マイナス」で、
どちらが「プラス」か、わかりますよね。

本人が聞いているか聞いていないかよりも、
“浴びている”と考えて下さい。

どんな言葉の積み重ねの中で生活をしているか、
ということです。

浴びる言葉というものは、
本人にとっての「環境」です。

以前に記事で書いたかもしれませんが、
例えば、ご夫婦間で交わされる言葉も「環境」です、
その言葉を“浴びている”わけですから。

ちなみに、
夫婦喧嘩をして仲直りをするのも「環境」ですし、
夫婦喧嘩がエスカレートするのも「環境」です。

もし、
「今までマイナスの言葉を浴びせてきたかもしれない」と思った方は、
落ち込まなくてもいいですよ、
「環境」は変えられます。

一気に変えようとしなくても大丈夫です、
マイナスの言葉を1つ減らしてみて、
プラスの言葉を1つ増やしてみる、
そんな積み重ねで、いつしか“浴びる”言葉は変わっていきます。

ついマイナスの言葉が出そうになったら、
ちょっとこらえて、飲み込んで、肩の力を抜いて、深呼吸でもしてみましょう。

それでもついマイナスの言葉が出てしまったら、
後からでもいいので、プラスの言葉をかけてあげましょう。

繰り返しですが、
本人が聞いているとか聞いていないとかではなく、
“浴びている”という感覚も念頭に置いてみて下さい。

面と向かって言っていなくても、
そっぽを向いていても、
こちらのつぶやきでも、違う相手への言葉でも、
“浴びている”のです。

霧吹きのように、
シュッと出た言葉が、部屋の中に広がり、
耳からだけではなく全身にまとわりつくのです。

家の中を、どんな言葉が渦巻いていて、ただよっているのか。
ただよっている言葉が、どんな色なのか、マイナス色かプラス色か、
というイメージです。
まさに言葉が「環境」を作るわけです。

また、
お子さんがマイナスの言葉をが“浴びている”ということは、
保護者の方も同じく“浴びている”ことになります。

そうなると互いにマイナスの気分になったり、
全てがマイナスに見えてきたりして、よくない循環です。

プラスの言葉を“浴びている”ならば、
当然、逆になりますね。
顔つきや体調まで変わってきます。

家の中で“浴びている”言葉が、
ちょっとよくなかったなと思ったならば、
少しずつ、少しずつでいいので、
言葉を意識して、
“模様替え”をしてみましょうか。