書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

怒る

これまでにも触れたことはありますが、
ボクの記事は保護者向けのような内容に見えて、
実は子ども達の読者も少なくないのが特徴です。

が、今日は子ども達から
「えーっ」「なんだよー」「なんてことを書くんだ」と言われそうなことを
書きます。

では、
保護者のみなさん、
別にお子さんを怒ってもいいんですからね。

学校へ行っていない、
見守ってあげるように言われたから見守ろう、
子どもの意思を尊重してあげよう、
それは、いいことです。

ただ、それはそれ、です。
わるいことをしても怒らない、というのでは話が違ってしまいます。
怒るべきことがあれば、
怒っていいんですよ、
むしろ、きちんと怒ってあげて下さい。

お子さんの意思を尊重しつつ、
それでも「これはいけないな」ということがあれば、
きちんと注意をしてあげましょう。

ここで遠慮したり、無理をして笑顔でいたりなどしては、
保護者としてもストレスになるでしょうし、
また、お子さんが「無関心」と感じてしまいかねません。

怒るべきときは、怒ってあげて下さい。
ただ、気をつけて頂きたいのは、
「やつあたり」「決めつけ」は避けましょう。
これらは過去にも記事にしたので詳しくは割愛しますが、
「怒られることをしていないのに怒られる」のは、
単純にかわいそうです。

あとは、
「自分がそうだったから」という怒り方には気をつけましょう、
時代背景が違いますからね。

一昔前は、
お父さんに怒られて家を飛び出したけど近所の人がなぐさめてくれた、とか
お母さんに怒られたけどおばあちゃんが話を聞いてくれた、とか
そんな「フォロー役」がいる確率は高かったかもしれませんが、
今は、
「怒った後のフォローも自分でする」という環境の方が多いと思います。

だとしたら、
あまりやみくもに怒っては、フォローもできなくなりますので、
お子さんに合った「怒り方」にしてあげたいところです。

個人的には、
乱暴すぎる言葉やきたない言葉で怒ることには反対です。

ただ、地域性やそれこそご家庭ごとの環境があるので一概には言えません。
しかし、今の子ども達はインターネット等を通じて多くの情報を持っています、
我々が子どもの頃よりも。

すると、
「そういう言葉」が、
どういう場面で使われるものか、どういう人間が使うものか、などを、
別の形で知っていたりします。

それを自分の親が怒ったときに使っているとなれば、
怒られている内容よりも、怒られている言葉の「印象」ばかりが残ってしまい、
やはりフォローは難しくなります。

冷静に怒る、などというのは難しいですけどね。
冷静になれないから怒る、という場面もあるでしょうし。

ただ、子どもにも人権があるという前提は常に置いておいて、
言葉遣いには気をつけた方がいいと思っています。

あまり例えを使いたくないので伏せ字にしますが、
「○○」と言われて、
大して気にならない子もいれば、ずっとずっと心に残ってしまう子もいる、
といったことですね。
大人なら気にならず、自分も子どもの頃に言われていた言葉だけれど、
お子さんが同じように消化できる言葉かどうかはわからない、とでも言いましょうか。

それでも、ついつい乱暴に怒りすぎてしまうことはあるかもしれません。
怒るのは構わないですが、
怒りすぎたな、と感じたら、素直に謝ってあげて下さい。

「さっきは言い過ぎた、ごめんね」という感じで。
前述の通り、「フォロー役」が減っている昨今では、
自分で怒って自分で謝る、というシチュエーションは起こりうるものです。

なかなか大変かもしれませんが、
そこの労力を惜しまないことは、親子関係においては大切だと思っています。

謝った後は、色々と言わないように気をつけて下さいね。
「さっきは言い過ぎた、ごめんね」で終わって下さい。
「さっきは言い過ぎた、ごめんね、でもね」と、
その「でもね」は我慢しましょう。
「でもね」から何か言い始めてしまうと、
今度はお子さんが怒り始めてしまいかねません。