書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

もうひとりの主役

少しだけ厳しいことを書きますね。

「一生懸命に育ててきた」
「学校へ行かなくなって落ち込んだ」
「なんとかしようと頑張った」
「うまくいかなくてイライラしてしまった」
「考え方を変えて楽になった」
「焦らずに過ごせるようになった」
「信じてあげられるようになった」
こんな心境を経験された保護者の方はいらっしゃるでしょう。

どれか1つか2つでも、
あるいは全て似たような心境を経験されている方も。

上から順に見てみると、
段階を経て、なんとなく状態が良くなっていく感じがしますよね。
それはとてもいいことです。

ただ、
心境を表したこれらのセリフというか文章、よく見てみましょう。

これらの文章の、
「主語」は誰でしょうか。

全て、
保護者の方ご自身のことですね。

ご自身の状態が改善されていくのは
繰り返しですが、いいことです。

ただし、
ご自分のことばかりになってしまい、
本人のことが頭から抜けてしまわないように意識はしてあげて下さい。

「自分の子どものことなんだから、抜けるわけがない」
と言われる方もいらっしゃるでしょう、当然です。

けど、少し意識をもって念頭に置くようにしてあげましょう。
具体的には、
「一生懸命に育ててきた」
「学校へ行かなくなって落ち込んだ」
「なんとかしようと頑張った」
「うまくいかなくてイライラしてしまった」
「考え方を変えて楽になった」
「焦らずに過ごせるようになった」
「信じてあげられるようになった」
という、
ご自分が「主語」である心境のとき、
本人がどういった心境になるものかを考えてみてあげて下さい。

これらの言葉の奥にいる、
もうひとりの主役のことを意識してみましょう。

自分が「悩んでいる」、自分が「頑張っている」、自分が「楽になった」と
そんなとき、
本人がどう感じるものかを時たま考えてみて頂けると、
自分自身の気持ちのコントロールもうまくいくようになります。

だって、
本人のことで悩んでいて、本人の幸せを願って頑張っているわけですから、
やはり自分ひとりで一喜一憂するだけではなく、
本人の一喜一憂も共に感じてあげたいですよね。