書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

アドバイスをもらう

タイトルのように思ったとします、
「誰かにアドバイスをしてもらおう」と。

誰にアドバイスをもらいますか。
もちろん、その内容によって変わってきますが、
自分がアドバイスをもらう相手としては誰が思いつくでしょうか。

保護者のみなさん、
ぜひ、
お子さんにアドバイスをもらってみて下さい。

内容は何でも構いません。
聞くまでもない、と思えるようなことも
あえて聞いてみることをおすすめします。
夕食の献立でもいいですし、
これから着る服はどちらが似合うかということでもいいですし。

お子さんの方が詳しそうな内容であれば、
これはもう、どんどんアドバイスをもらって下さい。

パソコンで作った資料に意見をもらってもいいですし、
スマートフォンの使い方でもいいですし。

「けど、まさか子どもに子育てのアドバイスをもらうのは無理がある」と
思われる方は多いでしょう。
実際に、あまり自然なことではないかもしれません。

しかしボクとしては、
子育てのアドバイスを、お子さんからもらうということも
特に問題ないと思っています。

親子関係の状況にもよりますが、
迷ったときや、助けが欲しいときは、
そのアドバイスをもらう相手として、お子さんを選択肢に入れてみて下さい。

あるいは、
どちらでもいいな、と思うようなことは
それを利用して、お子さんの意見や考えも聞いてみて下さい。

お子さんからアドバイスをもらうことについて、
どういう意味があるのか、を解説などすると
なんだかわざとらしくなりそうですので割愛しますが、
決して、
「子どもの機嫌をとる」ということではありません、
「要望を聞く」のではなく、「アドバイスをもらう」のですから。

「車と電車、どっちで行きたい?」ではなく、
「車と電車、どっちで行った方がいいと思う?」です。

あくまでも「人間と人間」でのコミュニケーションの一環だと捉えて下さい。
その効果についても、
あまり解説をする必要がないと思います、やってみればわかる、と言いますか。

違和感のある方は、少しずつ慣れてみて下さい。
「これとこれ、どっちがいいと思う?」などと聞いてみるところからやってみて、
「そんなこと知らない」と冷たくされても、あまり気にせずに、そこで会話を終わって構いません。その後にまた機会があれば、チャレンジしてみましょう。

こちらが違和感を持つときは、相手も違和感を持ちますが、
こちらが慣れてくると、相手も慣れてきます。

コミュニケーションという点を抜きしても、
本当に、参考になるアドバイスをもらえたり、新しい視点に気づかされたり、
そんな効果は小さくないと思います。

保護者という立場にいると、
どうしても「私が何とかしてあげないと」と思いがち。

しかし、
そばにいる「人」に頼ることはアリなんです。
ひとりで解決する必要などないですし、
ひとりで全て正解を出せるわけでもありませんしね。

また、子どもたちにとっては
頼られることで自分の存在を確認できることもあります。

子どもからアドバイスをもらう、というのは、
親として頼りないことでも、恥ずかしいことでも、避けることでもなく、
むしろ、良いことは多いと思っています。

ウチの子を何とかしてあげたい、
という想いは大切にしつつも、
たまには、
「何とかしてもらって」下さい。