「聴く」から始める親の関わり|不登校の保護者向けオンライン講演
オンライン講演2025年10月19日
子どもの話を聴くとき、親は何を言いたいのかを理解し、できるだけ早く答えやアドバイスを返そうとすることがあります。それは、子どものことを思えばこその自然な反応です。ただ、大人が話の内容を理解した時点でも、子どもはまだ話の途中かもしれません。
2025年10月19日、不登校のお子さんを持つ保護者に向けて、「『聴く』から始める親の関わり」をテーマにオンラインで講演しました。今回は、その講演でお伝えしたことと、ボクが普段の関わりで大切にしていることをあらためてご紹介します。

2025年10月19日のオンライン講演会。「聴く」をテーマに、スライドを使ってお話ししました。
開催概要
当日はスライドを使ってお話しし、後半には質疑応答の時間を設けました。
この講演でお伝えした3つのこと
当日は5つの項目に分けてお話ししました。この記事では、その中から、日々の関わりで特に大切にしてほしい3つの点をご紹介します。
内容が分かっても、子どもの話はまだ終わっていないことがある
話しても、話さなくても大丈夫と思える関係を大切にする
子どもの話を聴くためには、保護者自身が聴いてもらう時間も必要
今回の講演について
今回のテーマは、主催者からのご依頼で決まりました。ボクがセミナーやライブ配信などで、子どもの話を聴くことの大切さを発信していたことから、「聴く」という一つのテーマで話してほしいと声をかけていただきました。
話を聴くのは日常的なことですが、だからこそ、その大切さを見落としてしまうこともあると思います。地道でも大切にしたい関わりなので、今回の講演テーマをお受けしました。
お伝えしたのは、ボクが生徒や不登校経験者、保護者の方々と関わるなかで気をつけてきたことです。REOのスタッフが日々、生徒と関わるうえで大切にしていることにもつながる内容です。
当日お伝えした5つの項目
- 子どもの話を聴けていますか
- 聴くことの目的
- こんな聴き方に注意
- 聴ける状態を作る
- 聴くことの重要性

当日使用したスライドの抜粋。聴く目的や注意点、聴ける状態づくりなどを取り上げました。
子どもが自分のペースで最後まで話せること
講演でまずお伝えしたのは、話を聴く目的を「内容が分かること」だけに置かない、ということでした。
大人は、何を言いたいか分かると、そこで話を切り上げたり、答えを返したりすることがあります。でも、内容が伝わることと、子ども自身が話し終えたと感じることは、同じではありません。子どもにとっては、最後まで聴いてもらえたかどうかが大切なのだと思います。
ここでいう「話し切れる」は、子どもに話すことを求める意味ではありません。子どもが話したいときに、途中で遮られず、自分のペースで話し終えられることです。
そのために気をつけたいのが、子どもが話し終える前に、否定したり、話を遮ったり、アドバイスを返したりすることです。何とかしてあげたいという思いから出た言葉でも、子どもが続きを話す前に、こちらの話が始まってしまうことがあります。
アドバイスの内容を考える前に、今はまだ子どもが話している途中ではないか、と意識してみる。講演では、話の中身をつかむだけで終わらず、子どもが話し終えるところまで聴くことをお伝えしました。
話しても、話さなくても大丈夫という安心
最後まで聴くことと、話すように促し続けることは別です。子どもが話したくないときまで、言葉を引き出す必要があるという話ではありません。
話したいときには聴いてもらえる。話さないときにも、それで大丈夫。家の中にそう思える相手がいることを、ボクは大切にしたいと思っています。
「聴く」ことは、何かの結果を急いで出すための方法というより、家庭で安心して過ごすための土台の一つです。話した量だけで関わりの良し悪しを決めず、子どもが話すかどうかも含めて、そのペースを大切にしてほしいと思います。
保護者自身も、誰かに聴いてもらうこと
子どもの話を落ち着いて聴くには、聴く側の状態も関わります。親御さん自身が不安や疲れを抱えていると、大切だと分かっていても、最後まで聴くのが難しいことはあると思います。
だからこそ、講演では、保護者自身も誰かに話を聴いてもらうことが大切だとお伝えしました。子どもの話を聴く役割ばかりを引き受けて、自分の気持ちを話す機会がないままでは、しんどくなってしまいます。
うまく聴けなかったときに、聴き方だけを見直そうとするのではなく、自分も不安や疲れを抱えていないか、誰かに話を聴いてもらえているか。そのことにも目を向けてほしいと思います。
子どもの話を聴くことと、親御さん自身が聴いてもらうこと。どちらも大切にしてほしいと思います。
講演を振り返って
皆さんの反応から、日常の接し方への関心の高さを感じました。
講演後には、日々の関わりのなかで試してみたいというお言葉もいただきました。「聴く」という一つのテーマに絞ったことで、ご自身の関わりを具体的に振り返っていただく時間になっていたら、うれしく思います。
同時に、普段どのように子どもと関わればよいのか、迷いながら過ごしている保護者の方が多いことも改めて感じました。
ご参加くださった皆さん、そしてこの機会をつくってくださった、ひきこもり発信プロジェクトの皆さん、ありがとうございました。
ひとりで抱えず、まずは話してみませんか
子どものことを考え続けて、どう関わればよいのか分からなくなったり、保護者の方ご自身が疲れてしまったりすることもあると思います。
カウンセリングでは、お子さんの状態や親子の関わり、学習や進路のことだけでなく、保護者の方ご自身の不安やつらさも伺います。
話がまとまっていなくても大丈夫です。まずは今、抱えていることをお聞かせください。


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